顎関節症の治療法は、歯医者や口腔外科によって様々ですが、多くの場合、下記のような方法でアプローチされています。
顎関節自体に外科的手術を行うこともありますが、それは稀で顎関節症患者の1〜2%程度のようです。
運動療法
口をまっすぐ開けたり、大きくける練習(開口訓練)をするなど、あごの運動を行います。
薬物療法
痛みが強い場合に薬で炎症を鎮めたり、筋肉が痛みで固まっている場合に筋弛緩剤を用いたりします。
シップ剤、消炎鎮痛剤入りの塗り薬を使用することもあります。
また、夜間の歯ぎしりや食いしばりを抑えるために入眠剤、痛みの軽減のために抗不安薬、抗うつ薬を使用する場合もあるようです。
スプリント療法
歯を覆って顎の関節を本来の位置に誘導するための「スプリント」という装置を使用します。
スプリントは、かみ合わせを安定させたり、歯ぎしりや食いしばりによって顎関節や筋肉にかかる負担を軽減させます。
基本的に夜間使用し、2〜3ヶ月行うことが多いようです。
理学療法
患部を温めたり、冷やしたりして症状の緩和を図ります。
認知行動療法
食いしばりの癖など顎関節症の原因となる悪習慣やその背景をさぐり本人に自覚させ、それらを取り除くように指導します。
外科療法
上記の治療で症状が改善されない場合には外科療法が行われる場合もあります。
関節内に強い炎症がある場合に針をさして関節内部の物質を洗い流す「関節腔内洗浄療法」や関節内で関節円板と骨の癒着がある場合にそれをはがす「関節鏡手術」などがあるようです。
2010年3月に米国歯科研究学会(AADR)という世界的に権威ある学会から「顎関節症基本声明」が出されました。
この背景には日本だけでなく世界的にも顎関節症に対する考え方が統一されておらず、歯科医の思い込みではないかと思われるような対処方法で、症状が悪化してしまうクライアントさんが多いということがあります。
この中に顎関節症の鑑別は、基本的には問診と身体の診察のみで可能で、必要ならば画像検査が重要であるとあり、歯を削ったりするような非可逆的(元に戻らない)な対処と保存的・可逆的(後戻りできる)な対処では、効果にほとんど差がないので、保存療法を第一選択にすべきと書かれています。
また、顎関節学会のHPで「顎関節症の初期において、かみ合わせの調整はしない」と書かれており、顎関節症の原因の中に「かみ合わせ」も入ってはいますが、かみ合わせは関節や筋肉の状態で変わってしまうものです。
ですので、かみ合わせの検査や対処を行う前に、十分に関節や筋肉の状態を診なければいけないということであり、関節や筋肉の状態が良くなれば、かみ合わせが改善する場合も多く、そのうえで必要があればかみ合わせを治すというのが、現在の歯科での顎関節症に対する治療スタンスのようです。
歯科医師で構成されている顎関節学会にも積極的に参加し、最新の知識・技術の研鑽を続けております。
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