カイロプラクティックと母乳育児の関係
母乳は母体の血液から作られるため、体のバランスが整い、血液循環が良くなることで、母乳の分泌を促進する作用があると考えられているため、当院では、妊娠~出産で疲労した産後のカラダのバランスを整え、骨盤周りから全身を調整し、母体の代謝を良くしていきます。
さらに、母乳に大きく関わるオキシトシンというホルモンはリラックスした状態のほうが出やすいため、カイロプラクティックを受け、痛みがなく快適な状態で授乳をしたほうが母乳が出やすくなると言えます。
実際に腰痛や肩こり、手のしびれや腱鞘炎によって、母乳をあげる姿勢がつらい、体が痛くて母乳をあげることが出来ない、とお困りの方が当院の産後ケアにより、より快適に母乳育児ができるようになっています。
妊婦さんにおいては、産後すぐは一日の大半が母乳をあげている時間になることもめずらしくありませんので、妊娠中から体を整え母乳育児に備えることも大切です。
母乳育児は何かと大変なこともありますが、育児において母乳を与えられる期間は本当に短く、貴重な時間だと思います。このページでは、お母さんと赤ちゃんにとっての母乳育児のメリットについてまとめてみました。
赤ちゃんが飲みやすい授乳姿勢はこちらをご覧ください。
母乳が作られるしくみについて
母乳は、赤ちゃんが生まれると分泌されるプロラクチンというホルモンの作用によって乳房にたくさんの血液が流れ込み、その血液によって作られます。そして、オキシトシンというホルモンの作用で乳頭から絞り出されます。
母乳はこれらのホルモンが繰り返し分泌することによって出るようになります。母乳の出る量は個人差がありますが、母乳の出が悪くても、赤ちゃんに吸ってもらうことで、乳頭が刺激されて脳から母乳を出す指令が起きるので、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを吸ってもらうことが重要です。
母乳の赤ちゃんへのメリット
メリットその1
赤ちゃんにとって完全栄養食品
赤ちゃんにとってお母さんの母乳は
完全栄養食品です。母乳は、消化しやすく、赤ちゃんに必要な栄養素(乳糖、脂肪、たんぱく質をはじめ、カルシウム、ビタミン、ミネラルなど)がすべて含まれているので、赤ちゃんは母乳だけで成長できるのです。また、
消化・吸収が良いので、赤ちゃんの消化器官に負担をかけません。
メリットその2
アレルギーになりにくい
母乳は赤ちゃんにとって消化しやすい構造になっているので
消化不良によるアレルギーを起こすことが少ないのです。乳たんぱく質が人から作られているということや、半消化されていることから、アレルギー反応が起きにくくなっています。
メリットその3
病気にかかりにくい丈夫な子になる
母乳には
免疫物質が含まれているので病気を防ぎます。細菌やウィルスが体に侵入して病気になるのを防ぐ、免疫グログリンという物質や、腸内を健康に保つビフィズス因子、殺菌作用を持つラクトフェリンやリゾチーム、白血球など、身体を守る物質がたくさん含まれています。これにより丈夫な子になりやすくなり、また母乳をあげている間は病気になりにくいのです。この免疫に関わる物質は、特に出産後1週間の間に出る
「初乳」に多く含まれています。
メリットその4
乳幼児突然児症候群のリスクを軽減させられる
乳幼児突然死症候群は、何の前触れもなく1歳未満の赤ちゃんが死亡してしまう症状です。この症状に対して、
母乳育児のほうがリスクを減らせることが分かっています。原因不明で治療や予防策も明らかになっていませんが、厚生労働省では予防対策としても母乳育児を推奨しています。
メリットその5
ママへの安心感が与えられる
授乳は
親子の絆を深めるスキンシップになります。赤ちゃんはママのぬくもりや柔らかいおっぱいの感触などを全身で感じて、赤ちゃんはこの上ない
安心感と
信頼感をママに抱くことができます。
メリットその6
歯並びの発達が良くなり、運動神経が鍛えられる
「母乳を飲む」という作業は赤ちゃんにとって、とても
筋力のいる作業で
哺乳瓶で飲む時よりも60倍もアゴの筋力を使いますので、アゴへの血液供給が増え、骨の発達が促されることで将来的に
歯並びが良くなることが分かっています。 また、生後8ヶ月以降、脳が急速に発達する時期を母乳で育てることで、
運動神経やIQが高くなると言われています。
母乳育児のママへのメリット
メリットその1
母体の回復を促し、子宮や骨盤の戻りが早くなる
乳首を吸われることにより、
オキシトシンというホルモンが分泌されます。このホルモンは
子宮収縮作用や
骨盤を締める作用があるので、子宮や骨盤の戻りが早くなり、産後の回復を促進します。また、分娩後の出血を止める作用があり、悪露の排泄を促すと言われています。
実際に当院で骨盤矯正を受けている患者さんで母乳育児の方とそうでない方を比較すると、母乳育児の方の方が治療効果が出やすく、骨盤の締まりも良いです。
メリットその2
産後のダイエット
母乳を出すだけでカロリーを消費するので何もしなくてもダイエットになります。
余分な脂肪が血液中に溶けて母乳になるため、母乳を吸われることによって体重が減少しやすくなり、産後の体型の戻りが早くなります。
メリットその3
乳がんなど婦人病のリスクが減る
乳ガンの発生率が低下します。また、母乳育児中は生理が止まる場合が多いので、子宮が休む期間が長くなるので
子宮ガンなどのリスクも減ります。母乳育児は、閉経前乳癌、卵巣癌、2型糖尿病、メタボリック症候群のリスク減少との関連を示唆する研究が報告されています。
メリットその4
哺乳瓶やミルクを買わなくてよいので経済的
ミルクには1ヶ月5000円以上かかるのに比べて母乳はお金が全くかかりません。ママの食事やおっぱいのトラブルでお金がかかる場合はありますが、全体的に比較してみても
経済的です。外出時に哺乳瓶などの荷物を持たなくて済むのも大きなメリットです。
メリットその5
母性が芽生えやすく、愛情が深くなる
おっぱいを吸われることで分泌されるプロラクチンという乳汁分泌ホルモンの影響で
母性が深まり、一生懸命に乳首を吸う我が子を見てより一層愛おしいと思えるようになります。